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「自治基本条例 岡崎JC試案」の発行に当たって

従来わが国では、国民全体の生活向上を効率的に進めていくために、全国的な統一性や公平性を重視する観点から、中央に権限や財源を集中させる中央集権型のシステムを採用してきました。言い換えれば、国と地方は上下・主従の関係にあり、国全体の政治・経済・文化などの成長や発展を図ってきました。

しかしながら、バブル崩壊後の日本経済の停滞、情報技術の発達による急激なグローバル化、少子高齢化、更には国民のニーズの多様化等により、従来の中央集権型のシステムでは、直面する様々な課題への対応が困難な状況となってきました。

こうした状況を打破し、個性的で活力ある地域社会を再構築するために、それぞれの地域の特性や多様性に合わせたまちづくりを進め、「地域のことは地域で考え、地域で決定するようにしたい。」という機運が高まってきました。それを実現するために、中央が持つ権限や財源などを地方に移そうとする動きが「地方分権」です。実際に、明治維新・戦後改革に次ぐ第三の改革といわれる分権改革が平成12年に実施され、国と地方の関係は上下・主従から対等・協力へと改められました。

さらに平成19年には、国から地方への税源移譲が実施され、従来の国庫補助負担金等を通じた国から地方への種々の関与が薄れる反面、地方自治体の行政サービスに対する住民の受益と負担の対応関係がより明確になり、地方自治体の自主・自律の自治体運営が益々強く求められています。そのためには、自治体を支える市民、議会、行政の三者が「自ら治める」ための基本的な考えを共有することが極めて重要なこととなっています。

このたび社団法人岡崎青年会議所が試案を作成しました「自治基本条例」とは、こうした自主・自律の自治体運営を行う際に、岡崎市が抱える地域社会の課題などに対し、どのような方法により取り組むべきかという自治体運営の基本的な仕組みを、具体的に条例という形で法的に規定するものです。しかし法的に規定するとはいえ、そこに岡崎市を日々生活の基盤にして過ごしている私たち市民の「岡崎市をこんなまちにしたい!」という思いが反映されていなければまったく意味がありません。

社団法人岡崎青年会議所は、この「自治基本条例岡崎JC試案」を題材にして、これからの岡崎市をどうするのか、どうしていきたいのかを一人でも多くの市民の皆様とともに考える場を設け、真の意味で私たち市民の思いが反映された「岡崎市自治基本条例」を市民の皆様とともに策定し、2010年に岡崎市長に提案する活動をしていきます。この「自治基本条例岡崎JC試案」が、「自分たちのまちのことは自分たちで決める。」そんなごく当たり前の思いに共感し、一緒にこれからの岡崎市について考え、行動していただけるきっかけになれば幸いです。

2007年度 社団法人 岡崎青年会議所
「おかざき」夢のまち創造委員会 委員長 小西 亮



前文

私たちのまち岡崎市は、古くから東西文化の要衝であり、三河の政治の中心として栄えました。先人が守って来た歴史と伝統、自然との調和を守るとともに、時代の変化や岡崎市に住む市民の個性を取り入れ、未来へ発展・継承出来るまちづくりを実践していくためには、自治の担い手である私たち市民、市議会及び市長が、英知を結集し、役割を分担し、それぞれの責任を果たし、協働を基本として実現していかなければなりません。
しかし日本国憲法に「国民」に主権があることは規定されていますが、「市民」に主権があることを明確に定めた法令は存在せず、市民の行政参加の仕組みについても具体的な規定はほとんどありません。

私たち市民は、自治の主権者としての権利と責任を自覚したうえで、私たち市民の信託を受けた市議会・市長との間で将来に渡り共有すべき考え方や自治を実現して行くための仕組みを自ら定めます。そして、明るく豊かな地域社会の実現のため、「市民自治のまち」を目指し、ここに岡崎市の最高規範として自治基本条例を制定します。

【解説】
前文は、自治基本条例を制定するにあたっての基本的な認識や決意等を明確にし、条例全般にわたる解釈・運用の基礎となるものです。
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日本国憲法では、第九十二条〜第九十五条において地方公共団体の自治立法権を定めていますが(地方自治の本旨)、市民の行政参加の仕組みについて具体的な規定はほとんどありません。「市民」に主権があることを明確にした上で、市民、市議会、そして市長が力を合わせて目指すべき地域社会の実現に努めるために、必要となる三者の間で共有すべき考え方や仕組みを、条例として定めるものが自治基本条例です。
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「自治」とは、「地方公共団体の政治が、国の関与によらず住民の意思に基づいて行われる」ことを意味します。前文では、市民が「自治の主体は市民であること」を自覚し、より能動的に自治を推進していくまちを「市民自治のまち」と表現しています。


第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、岡崎市における自治の基本理念と主権者である私たち市民の権利を明らかにするとともに、市民、市議会及び市の果たすべき役割や市政運営の仕組みを定めることにより、日本国憲法に定める地方自治の本旨を実現し、市民自治を確立した地域社会を創造することを目的とする。

【解説】

目的規定は、前文に掲げた自治の基本的な認識や決意等に沿って、この条例は何を定めているかをより具体的に示したものです。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1 「市民 」 市内で住む者、働く者若しくは学ぶ者、市内に事業所を置く事業者又は市内で活動する団体をいう。
2 「市」 住民、市議会及び執行機関によって構成される基礎自治体をいう。
3 「参画 」 政策の立案から実施、評価に至る各段階において、市民が主体的に参加し、意思形成に関わることをいう。
4 「協働 」 市民、市議会及び市がそれぞれの果たすべき責任と役割を認識し、相互に協力して行動することをいう。
5 「地域コミュニティ」 自治、習慣、共通の関心等で結びつきを持つ市民により、地域の課題の解決に向けて自主的に作られた集団をいう。

【解説】
条例の中で使われる用語のうち、認識を共通にしておきたい重要な用語を定義しています。
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第1号「市民」について
岡崎市の住民に限らず、市内で働いている人たちや就学している人たち、また個人だけではなく、企業や市民活動団体等の市内で活動する団体を含みます。自治を推進する様々な活動には、これら全ての個人、団体の協力が必要不可欠との考えから幅広く市民を定義しています(外国籍の市民も含みます)。
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第2号「市」について
日常使われる「市」という用語は、市=行政(市役所)として使われることが少なくありませんが、この条例では、市=「住民+市議会+執行機関」とし、住民も自治体の構成要素であることを明確にし、この三者が協力して自治を担っていることを示しています。
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第3号「参画」について
市長等が立案した事業や計画等が本当に市民のためになるものなのか、また市政が市民のために適切に運営されているのかについて市民の意見を反映させるために、市政への市民の参画は必要不可欠な要素です。
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第4号「協働」について
多様化する地域の課題や市民のニーズに対し、市議会や執行機関だけで対応することが近年困難な状況になってきています。このような状況を打開するために、協働は自治を推進するうえで重要な要素となっています。
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第5号「地域コミュニティ」について
コミュニティとは「居住地域を同じくし、利害をともにする共同社会」を意味しますが、「地域コミュニティ」は、総代会などの地縁型、市民活動団体などのテーマ型のコミュニティの双方を含んだうえで、通常使われる「コミュニティ」よりも「地域の課題解決のために自主的に作られた集団」と絞ったものに定義しています。


(最高規範性)
第3条 市及び市民は、岡崎市のまちづくりの最高規範として、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない。
2 市は、総合計画その他まちづくりに関する計画の策定及び他の条例、規則等の制定及び改廃にあたっては、この条例の内容を尊重し、この条例に適合させなければならない。

【解説】
自治基本条例は、「自治体の憲法」と表現されることもあり、自主・自立の自治体運営を支える基本的な理念や仕組みを定めた自治体の最高規範です。後の章に明記されている「市民の権利と責務」、「市議会の責務」、「市長の責務」、「市政運営の原則」などの内容は、その性質を具体化したものです。

本来いかなる条例も規範としての効力に違いはなく、上下の関係にあるものではありませんが、総合計画その他まちづくりに関する計画の策定及び他の条例、規則等の制定及び改廃にあたっては、「この条例の内容を尊重し」なければならないことを定め、自治基本条例の最高規範性を表現しています。したがって、既に存在する条例や規則等の中でこの条例に反する内容が含まれているものは、すみやかに改正する必要があります。

(連携)
第4条 市は、他の自治体、国及びその他の機関との情報共有と相互理解のもと、連携してまちづくりを推進するものとする。

【解説】
市域を超えて広域的に対処しなければならない課題や共通する課題に対しては、他の自治体や国等と連携して対応することを定めています。

(自治の基本理念)
第5条 市民、市議会及び市長は、自治を推進するため、「まちづくりは、自らが考え行動する」という自治の理念に基づき、一人ひとりの人権が尊重され、いきいきと安心して心豊かに暮らせる岡崎を、協働して築くことを目指すものとする。

【解説】
多様化する地域の課題や市民のニーズに対応し、個性豊かな岡崎市を実現するためには、これまでのように市民、市議会、そして市長が、それぞれの考えのもと、各々の理想を追求するのではなく、三者による英知を結集し、自らの責務を果たしながら協働してまちづくりを進めることを「自治の基本理念」として定めています。

第2章 市民

(市民の権利)

第6条 市民は、個人として尊重され快適な環境において安全で安心な生活を営む権利を有する。
2 市民は、執行機関が行う政策の形成、執行、評価及び政策の形成への反映(以下「政策形成等」という。)の過程に参加する権利を有する。
3 市民は、市議会及び執行機関が保有する情報を知る権利を有する。
4 市民は、執行機関が行う行政サービスを受けることができる。

【解説】.
市民自治を一層推進するために市民の権利を規定しています。
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第1項について
市民の権利として、市民生活に必要不可欠な最も基本的な権利を規定しています。
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第2項について
執行機関の活動に市民が参加できることを定めています。これは権利であるため、参加を強制するものではなく、参加しないからといって不利益を被るものではありません。
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第3項について
市民自治の推進という観点から大変重要な権利です。必要な情報の入手、情報の共有なくして、市民自治の推進はありえません。
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第4項について
市民の行政サービスの提供を受ける権利を規定していますが、すべての市民がすべてのサービスを同じように受けられるという規定ではありません。例えば住民のみ、高齢者のみといったようにサービスごとに受給できる対象者が限られる場合もあり、詳細は他の条例や規則などで規定されることとなります。
(市民の責務)
第7条 市民は、自治の主体であることを自覚し、互いに尊重し、協力して、自治を推進する責務を有する。
2 市民は、政策形成等の過程に参加するにあたっては、自らの発言と行動に責任を持たなければならない。
3 市民は、行政サービスに伴う負担を分任しなければならない。

【解説】
第6条の権利の規定と対になる規定です。法的な「義務」として強制するのではなく、主体的に果たす「責務」として謳っています。
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第1項について
市民が「自治の主体は市民であること」を自覚し、能動的に活動しなければ、自治の推進はありえないという考えを基本としています。
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第2項について
「自己決定・自己責任」を基本とする市民自治においては、執行機関の活動への参加にあたっても、自らの言動に責任を持たなければなりません。
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第3項について
市民は行政サービスを受ける権利を持つ一方で、そのサービス提供に伴う負担を分かち合うことを定めています。

第3章 地域コミュニティ

(地域コミュニティ活動への参加)

第8条 市民は、地域のなかで安心して暮らし続けることができるよう、自主的に学区、町内会等の基礎的な地域コミュニティの活動に参加し、交流しながら、相互に助け合うとともに、地域課題の解決に向けて協力して行動するものとする。

【解説】
これまで岡崎市においては、総代会などの地縁型コミュニティが自治の推進に大きな役割を果たしてきました。こうした基礎的な地域コミュニティの活動に市民がより一層積極的に参加することが、今後の自治の推進には欠かせないものとなっています。

(地域コミュニティ活動の尊重)
第9条 市は、地域コミュニティの果たす役割を尊重し、その活動を振興するために必要な施策を講じなければならない。
2 執行機関は、地域コミュニティの活動を支援することができる。
3 市議会は、地域コミュニティの自主性及び自立性を尊重するものとする。

【解説】
第1項について
「地域コミュニティ」には地縁型、テーマ型いずれのコミュニティも含みますが、自治の担い手である地域コミュニティを守り育てていくことを定めています。
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第2項について
執行機関が地域コミュニティに対し、活動場所の提供、活動資金の援助、活動に関する情報提供などの支援ができることを定めています。
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第3項について
市議会も地域コミュニティの自主性や自立性を尊重することを定めています。

第4章 市議会

(市議会の責務)

第10条 市議会は、自治の基本理念にのっとり、その権限を行使し、自治を推進しなければならない。
2 市議会は、市民に対して、開かれた議会運営を行い、説明し、及び応答する責務を有する。
3 市議会は、保有する個人情報を保護し、及び保有する情報を原則として公開しなければならない。

【解説】
「地域のことは、地域で考え、地域で決める」という、自主・自立の自治体運営が望まれるほど、自治体の意思決定機関である市議会の果たす役割はますます重要になります。
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第1項について
市議会は自治を推進するために、自治の基本理念にのっとって、地方自治法等により与えられた権限を行使することを定めています。
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第2項について
第6条に市民の権利として規定した「情報を知る権利」を保障するものであり、市民が市政に参加するうえでの前提条件となります。
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第3項について
市議会は、保有する個人情報を保護しなければなりません。同時に市民の権利として規定した「情報を知る権利」を保障するとともに、保有する情報を原則として公開しなければならないことを市議会の責務として定めています。

(市議会議員の責務)
第11条 市議会議員は、自治の基本理念にのっとり、市議会が前条に規定する事項を実現するよう、誠実に職務を執行しなければならない。
2 市議会議員は、市民の信託に応え、市民の福祉を増進させるため、法律の定めるところによりその権限を行使し、市民の代表としての役割を果たすものとする。
3 市議会議員は、この条例の趣旨を最大限に尊重し、地方自治の推進に向けた取り組みを通して、将来にわたりこの条例を発展させなければならない。

【解説】
第1項について
前条に定めた責務を市議会が果たすために、市会議員は、自治の基本理念にのっとって職務を遂行することが求められています。
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第2項について
市議会議員は、市民に選ばれた代表であり、権限を行使するにあたっては、市民の信託に応えるものでなければならないことを定めています。
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第3項について
市議会議員は、岡崎市のまちづくりの最高規範として、この条例の趣旨を最大限に尊重し、将来にわたり守り育てていかなければならないことを定めています。

第5章 市長等
(市長の責務)

第12条 市長は、市民の信託に応え、市政の代表者としてこの条例の理念を実現するため、公正かつ誠実に市政の執行にあたり、自治を推進しなければならない。
2 市長は、市民の信託にこたえ、効率的な行政運営に当たるとともに、毎年度行政運営の方針を定め、その達成状況を市民及び市議会に説明しなければならない。
3 市長は、市職員の能力向上に努めなければならない。
4 市長は、この条例の趣旨を最大限に尊重し、地方自治の推進に向けた取り組みを通して、将来にわたりこの条例を発展させなければならない。

【解説】.
第1項について
地方分権改革により、国と自治体の関係は上下・主従から、対等・協力の関係になりました。自治体の代表者である市長には、これまで以上に大きな権限が与えられることとなります。市長は、市民に選ばれた代表であり、その権限を行使するにあたっては、市民の信託に応え、自治を推進していくものでなければならないことを定めています。
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第2項について
これからの自治体運営には、経営的視点が必要不可欠です。自治体の代表者である市長には、常に効率的な行政運営に努めるとともに、立てた運営方針の経過や成果を検証、報告することが定められています。
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第3項について
実際に行政の各現場に携わっているのは、市の職員です。職員の資質を向上することも、自治を推進する上で重要なことです。
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第4項について
市長は、岡崎市のまちづくりの最高規範として、この条例の趣旨を最大限に尊重し、将来にわたり守り育てていかなければならないことを定めています。

(市職員の責務)
第13条 市職員は、市民全体のために働く者として、この条例を遵守し、誠実かつ公正に職務を遂行しなければならない。
2 市職員は、職務の遂行に必要な知識、技能等の向上に努めなければならない。
3 市職員は、この条例の趣旨を最大限に尊重し、地方自治の推進に向けた取り組みを通して、将来にわたりこの条例を発展させなければならない。

【解説】
第1項について
市長の補助機関である市職員は、当然のこととしてこの条例を遵守し、市民のために職務を遂行しなければなりません。
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第2項について
自治を推進するコーディネーター、市民活動のサポーターとして、プロにふさわしい能力が求められる市職員には、自らの知識や技能の向上に努めることが求められます。
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第3項について
市職員は、岡崎市のまちづくりの最高規範として、この条例の趣旨を最大限に尊重し、将来にわたり守り育てていかなければならないことを定めています。

第6章 市政運営の原則

(基本構想等)

第14条 市は、政策の基本的方向を示す基本構想を定めるとともに、その実現を図るため基本計画その他の計画を策定し、総合的かつ計画的な市政運営を図らなければならない。

【解説】
現在の総合計画は、地方自治法に基づき市議会の議決を経て定められる基本構想と、これを具現化するための基本計画、さらに毎年度の予算の先導的な役割を果たす実施計画で構成されています。

(効果的な市民サービスの提供)
第15条 市は、市民要望を的確に把握し、効果的な市民サービスの提供に努めなければならない。

【解説】
第6条の「市民の権利」を保障するものです。

(行政評価)
第16条 市は、効果的かつ効率的な市政運営を推進するため、外部による行政評価を実施し、その結果を公表しなければならない。

【解説】
行政評価の目的は、「市民に対して行政活動の内容を説明すること。」、「その評価を基に行政活動全体を改善・改革すること。」にあります。これらの目的を達成するため、評価結果の信頼性を高める方法として外部評価を実施することを定めています。

(行政手続)

第17条 市は、行政手続に関し共通する事項について、市民の権利及び利益の保護に努めなければならない。

【解説】
行政手続(申請に対する処分、不利益処分、行政指導、届出)に関するルールをあらかじめ市民に明らかにすることは、行政の透明性を図るうえで大切なことです。

(説明責任)
第18条 市は、市政運営における公正を確保し、透明性を向上させるため、政策及び計画の立案、実施、評価及び見直しの各段階において、市政について市民にわかりやすく説明しなければならない。

【解説】
説明責任は第6条の「市民の権利」における「情報を知る権利」を保障するとともに、市民が「行政へ参加する権利」を行使する上で必要不可欠なものです。

(市民からの意見及び要望)
第19条 市は、市政に対する市民の信頼を確保するため、市民からの意見及び要望を迅速かつ誠実に処理しなければならない。

【解説】
前条と同じく、第6条の「市民の権利」における「情報を知る権利」を保障するとともに、市民が「行政へ参加する権利」を行使する上で必要不可欠なものです。



(情報公開等)
第20条 市は、市の保有する情報が市民の共有財産であり、すべての人の知る権利の実効的保障が、市民参加及び公正かつ民主的な市政運営の推進のために極めて重要であることを認識し、開かれた自治体として積極的な情報公開及び情報提供を行わなければならない。

【解説】
前条と同じく、第6条の「市民の権利」における「情報を知る権利」を保障するとともに、市民が「行政へ参加する権利」を行使するうえで必要不可欠なものです。また、行政運営の透明性を図る上で、大変重要な規定です。

(個人情報の保護)

第21条 市は、市民の基本的人権を守るため、個人情報の適正な保護を行うとともに、何人に対しても、自己に係る個人情報の開示と適正な措置を請求する権利を保障するため、必要な措置を講じなければならない。
【解説】
個人情報の適正な保護と、自己に関わる個人情報の開示の両方において必要な措置を講じることを定めています。

(財政)
第22条 市長は、最少の経費で最大の効果を挙げるような財政運営を行うように努めなければならない。
2 市長は、歳入歳出予算の執行状況等の財政状況を、市民にわかりやすく公表しなければならない。

【解説】
市長は、自治体経営という観点から、持続可能な健全財政を確保し、最小の経費で最大の効果を挙げるように努めなければなりません。また、財政状況等を市民に明らかにすることは、行政運営の透明性を図るうえで、大変重要なことです。

第7章 市政への市民参画

(パブリックコメント)

第23条 市長等は、重要な条例及び計画の策定等にあたり、市民の意見を反映させるために事前に案を公表し、市民の意見を聴取するとともに、これに対する市長等の考え方を公表しなければならない。ただし、特に緊急を要する場合は、この限りでない。

【解説】
パブリックコメント制度は、様々な意見をいただくことで、より質の高い政策づくりを目指すためのものです。この制度を導入することにより、市の意思決定過程における公正性の確保と透明性の向上を図るとともに、市民の市政への参画を推進し、市民への説明責任を果たすことができます。岡崎市ではすでに導入されている制度ですが、この条例に謳うことで、制度の持続性を保障しています。

(オンブズマン)
第24条 市長は、市民の市政に関する苦情を公正かつ中立な立場で迅速に処理することにより、市民の権利利益を擁護し、市政に対する市民の信頼性を高め、公正かつ透明な市政の推進を図るため、岡崎市総合オンブズマン(以下「オンブズマン」という。)を設置する。
2 オンブズマンは、市民の申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案について市長等に対して意見を述べ、若しくは是正等の措置を講ずるよう勧告し、又は苦情等の原因が制度そのものに起因するときは当該制度の改善に関する提言を行うことができる。
3 市長等は、オンブズマンの職務の遂行に関しその独立性を尊重し、積極的な協力援助を行うとともに、オンブズマンから勧告又は提言を受けたときは、これを尊重し、誠実かつ適切に処理しなければならない。

【解説】
中立的な立場で市政に対する勧告又は提言を行うオンブズマンを設置することにより、市民の権利利益を擁護し、市政に対する市民の信頼性を高め、公正かつ透明な市政の推進を図ることができます。

(住民投票)
第25条 市長は、市政に係る重要事項について、広く住民の意思を確認する必要があると認めるときは、住民投票を実施することができる。
2 市民、市議会及び市長は、住民投票の結果を尊重しなければならない。

【解説】
住民投票制度は、住民が市政に参加する究極の仕組みといえます。本条例では、「常設型」の制度として定めています。
〔非常設型〕・・・住民の賛否を問おうとする事案ごとに、実施に必要な住民投票条例を制定するもの。
〔常設型〕・・・・・投票資格、投票方法、成立要件など、住民投票の実施に必要な諸事情をあらかじめ住民投票条例として定めておいて、請求要件等を満たしていればいつでも実施できるもの。
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第1項について
住民投票は住民の意思を市政に直接反映できる素晴らしい制度ですが、反面、少数意見の取り扱いなどに慎重さを要し、多額の費用もかかります。市の将来を左右するような、住民一人ひとりの意思確認の必要性に迫られた時の最終手段として行われるべきです。
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第2項について
地方自治は、市長、市議会議員を住民の代表とする議会制民主主義が大原則です。住民投票はそれを補完し、自治を充実させる制度であり、市長や市議会の選択や決断を拘束するものではありません。したがって市民、市議会及び市長が結果を尊重すべきものとしています。

(住民投票の発議及び請求)

第26条 永住外国人を含む18歳以上の住民は、市政に係る重要事項について、その総数の
50分の1以上の者の連署をもって、市長に住民投票を請求することができる。
2 市長は、前項の請求があったときは、意見を付けてこれを市議会に付議しなければならない。
3 市議会議員は、市政に係る重要事項について、議員定数の12分の1以上の賛成(発議者を含む。)を得て、住民投票の実施について発議することができる。
4 市長は、前2項の場合において、市議会が出席議員の過半数の賛成により議決したときは、住民投票を実施しなければならない。
5 市長は、第1項の請求に係る署名者数が永住外国人を含む18歳以上の住民総数の4分の1を超えたときは、第2項の規定によることなく、住民投票を行う。

【解説】
第1項〜第4項について
住民総数の50分の1以上の連署があった場合、市長は市民から請求を受けた住民投票を市議会に付議しなければなりません。この場合市議会が出席議員の過半数の賛成により議決してはじめて、住民投票は実施されます。また議員定数の12分の1以上の賛成を得て市会議員から住民投票が発議された場合も、市議会が出席議員の過半数の賛成により議決してはじめて、住民投票は実施されます。
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第5項について
住民総数の4分の1以上の連署があった場合は、市長や市議会の判断とは関係なく住民投票は実施されます。

第8章 廃止

第27条 この条例を廃止する場合は、住民投票を実施することとし、市民、市議会及び市長はその結果を尊重しなければならない。

【解説】
自治基本条例は、岡崎市のまちづくりの最高規範であり、市民、市議会及び市長はこの条例の趣旨を最大限に尊重しなければならなりません。したがって本条例を廃止する場合も、市議会や市長の思惑で廃止されることがないよう、住民一人ひとりの意思確認をするために、住民投票を実施することを定めています。